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ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと/奥野克巳
¥ 1,980
発行:亜紀書房 2018年 私の普通は、 誰かにとっての特別。 枠のちょっとした組み直しで、 驚くほど気持ちが楽になったりします。 厚めの本ですが、 奥野さんの軽妙な語り口が、 それを感じさせません。
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今日の人生2/益田ミリ
¥ 1,650
発行:ミシマ社 2020年 つづく日常は ときに平坦にみえ、 気持ちがしんなりしてしまいます。 でも、 ふっと振り返ってみれば、 平らに見えたその道は 案外起伏に富んでいて、 そのでこぼこが 愛おしく思えたりするものです。 益田ミリさんの描く日常は、 そんな気持ちを思い出させてくれるようで、 きっと「わたし」の日常が 愛おしく思えます。
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三春タイムズ/長谷川ちえ
¥ 2,200
発行:信陽堂 2021年 素晴らしい本がまたひとつ、 信陽堂から。 ふわりと舞い上がる 花びらのような エッセイ集。 日々の息遣いが、 やさしく束ねられています。 表紙の繊細な箔押しも 素晴らしい。
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出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと /花田菜々子
¥ 1,430
発行:河出書房新社 初対面の人に 本をおすすめする、 その奥深さ。 生身の人同士のやりとりは、 ときにスリリングで、 ときにドラマチック。 読後の心地よさは、 ちょっとしたセラピーのようです。
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三行で撃つ/近藤康太郎
¥ 1,650
SOLD OUT
発行:cccメディアハウス 2020年 具体的な技はもちろん、 表現ひとつひとつが素晴らしく、 感動がありました。 うまく書くためじゃなく、 善く、生きるため 文章を扱っていく。 当たり前のようですが、文章を書く端くれとして その難しさを感じる日々です。 仕事として文章を扱う方はもちろん、 日常でも大いに役立つ内容です。
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海を撃つ/安藤量子
¥ 2,970
発行:みすず書房 出版年: 震災について、 僕が語れる言葉はほとんどありません。 起きたことを忘れてしまわないように。 少しでも風化を食い止められるように。
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急に具合が悪くなる/磯野真穂 宮野真生子
¥ 1,760
発行:晶文社 2020年 いつか来るかもしれない。 そのときに。 縁になるのは、 目に見えないなにか。 覚悟か、諦めか、達観か。 どれとも言えるような 言えないような。 柔らかくも芯のある 2人の往復書簡は、 きっとその「何か」を育むための 肥料になります。
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その悩みエピクテトスならこう言うね。/山本貴光 吉川浩満
¥ 1,540
発行:筑摩書房 2020年 当人にとって 頭をかかえる悩みに、 スパッと解決!なんて方法は おそらくない。 でも、 過去の賢人たちが どう考えてきたか知ることは、 直接の解にはならなくても、 道筋にはなるはず。 すぐわかる!これさえあれば! 手間なし!簡単! そんな言葉の誘惑をじっと堪えて。
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モヤモヤの正体/尹雄大
¥ 1,870
発行:ミシマ社 2020年 少しずつ、本の紹介を再開します。 写真は正面を少なめにして、 少しこねくり回してみます。 紹介文も入れたり、 入れなかったり。 いったん 自分で作ってしまった制約を外し、 試行錯誤を。
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はじまりが見える世界の神話/植朗子編著 阿部海太
¥ 1,870
SOLD OUT
発行:創元社 2020年 窓から眺めていた、 幻想的な霧。 消えてしまわないうちに撮影したいなと思い立ち、 手にしたのはこの本でした。
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消えそうな光を抱えて歩き続ける人へ/安達茉莉子
¥ 1,760
発行:ビーナイス 2020年 身体の内側を じんわりと温めてくれる 湯たんぽのような本です。 少し心がよわったときに そっとひらいてみてください。
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土のがっこう/spectator
¥ 1,870
発行:エディトリアル・デパートメント 2020年 「みんなそれぞれのやり方やけど、全部受け入れてくれる土は偉大やよね」 農家さんが珈琲を飲みながら、つぶやいた言葉。 私たちがめざす先は、土、なのかもしれません。
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人類堆肥化計画/東千茅
¥ 1,870
版元:創元社 2020年12月刊 ても刺激的。興奮。 どうしようもなく理由のない生に、 いかに向き合えるか。 思考の広がり、的確な言語化。 生前堆肥って言いたい。 タイトル、装丁、ちょっときわものっぽく見えますが、 実践的哲学書です。 早くも今年のマイベストにノミネート。
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未来をはじめる「人と一緒にいること」の政治学/宇野重規
¥ 1,760
版元:東京大学出版会 2018年8月刊 完璧な人は どこにもいない。 同じように、 完全な仕組みも存在しない。 困ったとき、 万能なひとつの解決策を 求めてしまいがちだけど、 その瞬間から 進む方向を間違えてしまっている。 民主主義は万能じゃない。 つねに、 自分たちの手で 更新し続けるもの。
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愉快のしるし/永井宏
¥ 2,420
版元:信陽堂 2020年12月刊 どうしてこんなにも 心をつかまれるんだろう? 今の自分には うまく説明することができない。 かろやかにふわっと浮いているようで、 確かに地面をとらえて立っている。 そんな印象をうける永井さんの、 平易にも思える言葉の向こう側には、 おそらく、高い空が広がっている。 いま言えることは、 自分にとって、 なんども読み返すことが約束された 友人のような言葉だ、 ということ。
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[古本]プルーストとイカ
¥ 1,500
SOLD OUT
副題:読書は脳をどのように変えるのか 著:メアリアン・ウルフ 訳:小松淳子 インターシフト 2019年に読んだ本のなかで、 とくに知的好奇心がバシバシ刺激された一冊でした。 読むこと・書くことは、 みなさん普段何気なく行っている行為だと思います。 でも、 じつは奇跡と言っても大げさではない能力であることを 本書は改めて教えてくれます。 最新の脳科学の研究結果、過去の識字の歴史、 ディスレクシアとよばれる読字障害の研究、 人が読み方を学ぶ過程・・・ 多角的な角度で 読むこと・書くことの奇跡が紐とかれ 読みごたえ十分。 決してとっつきにくい文章ではありませんので、 うまくハマればスルスルと読めると思います。 最近、知的好奇心足りてないな、という方 ぜひ本書をどうぞ。
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THE ROAD
¥ 880
コーマック・マッカーシー 黒原敏行 訳 早川書房 細かく設定が提示されることなく、 描かれていく親子の旅路。 明らかになるのは、 世界が滅びつつあることと、 小さな火を守り続ける 二人の姿。 静謐という言葉がふさわしく、一見冷たい印象をもつ文章ですが、読み進めるうちにきっと暖かく胸に灯るものがあります。
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FRAGRANT CATALOG フレグラントフラワーカタログ
¥ 1,320
SOLD OUT
服部あさ美 mille books ハーブカタログと対をなす一冊。 香りこそが花の言葉。
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深呼吸の必要
¥ 682
SOLD OUT
長田弘 角川春樹事務所 大きな木の前で立ち止まり、 言葉を深呼吸する。 大きな木を見上げながら、 同じだけ沈黙する。 折に触れて私たちを支える 素朴な言葉たち。
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街場の文体論
¥ 1,760
内田樹 ミシマ社 内田樹さんの著作のなかでも 最高峰と信じて疑わない一冊。 書き手の端くれとして 一生大切にしたい本の一つです。 書く、という行為にとどまらず、 話すこと、伝えること、受け取ること、 一般的にコミュニケーションと呼ばれるような行為については すべて同じことが言えるのではないかと思っています。 対面での言葉のやり取りが失われつつあるいま、 改めて読み返してみると おそらくハッとする言葉に出合えるはず。 おすすめです。
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はじめて投票するあなたへ、どうしても伝えておきたいことがあります。
¥ 1,540
いとうせいこうほか 津田大介 監修 ブルーシープ 編集 表紙とは裏腹に骨太な内容。 そうそうたるメンバーが、 それぞれの切り口で、 政治や選挙について語ります。 気になる人から読んでみると、 芋づる式に興味が広がる仕掛け。 園子温さんの言葉が響きました。 「投票はホテルをでるときに枕元に置く1ドル。電車で気分が悪くなった人を支える小さな力」 今の情勢、政治と私たちの暮らしが地続きであることが可視化されてきている気がします。 気分が悪くなった人を助けられる国であってほしい。
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ニューQ 新しい問いを考える哲学カルチャーマガジン
¥ 1,650
瀬尾浩二郎 発行人 株式会社 セオ商事 藤原印刷 少し立ち止まってみる。 問いを立てるって、 つまりそういうことなのかな、 と思います。 比較的薄いですが、 内容はかなり厚くて 嚙みくだき甲斐のある雑誌。 扱う内容が内容なので、 流行り廃りがなく、 折に触れて 手に取る本になる予感がします。 とっつきにくい哲学の世界に入る 入門書としても。 編集部のメンバーが ポッドキャストで作っている ニューQラジオも 適度なゆるさと 哲学的思考が交差する内容で、 頭の体操にいいですよ。
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手づくりのすすめ
¥ 1,980
宮代一義 自然食通信社編集部 編 自然食通信社 かつて百姓をしていた地元の方々は、 みなさん「昔はえらかった(しんどかった)」とおっしゃいます。 手仕事や丁寧な暮らしは耳触りがいいですが、それらが特別でなく「生活」だった時代。百以上の仕事をこなしてきた方々には尊敬しかありません。 当時と同じ暮らしは真似できなくとも、「いざとなればできる」と心構えができるだけでも、間違いなく生活の強度は増すはずです。 長く読み継がれていることがうなずける、イラスト豊富で丁寧な解説のあるこの本が棚にささっていれば、心強いことは間違いありません。
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わが黄金のベンガルよ
¥ 1,980
ラビンドラナート・タゴール 内山眞里子 訳 未知谷 「国は人間が創造したものです。 国は土からできているのではなく、人間の心でできています」 ベンガル語本『ラビンドラ全集第一巻』プロローグより タゴールが講演で話した一節だそうです。 この一文だけで、心が持っていかれました。 アジアで初めてノーベル文学賞を受賞し、1917年を始め何度か来日もされているそう。 初めて知りました。 自然を愛した詩人の詩は、突き放すような厳しさがなく、 包み込むようなやわらかさを感じます。 訳者である内山眞理子さんが、心の避難所と表現されるのがわかるような気がします。 出版社・未知谷さんより。