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きんつぎ/作:イッサ・ワタナベ 詩訳:柴田元幸
¥2,420
発行:世界文化社 初版:2025年3月 判型:23×23cm 総頁:48頁 製本:上製本 ISBN:978-4-652-20548-8 文字のない絵本。 日々生きていくなかで得ていく傷。 ともするとその傷は隠したいもの、なかったことにしたいもの。 でも、見方を変え、 その傷そのもの、あるいはその傷を癒していく過程 そして、治った傷のあった場所が、新たな輝きになっていく。 器を修復する技・金継ぎに着想を得て描かれる 色を失い、ひび割れていく世界は、 哀しく、喪失を連想させます。 でも、その喪失の先には微かな希望がつねにあるはず。 そう僕が信じたいだけかもしれませんが、 イッサ・ワタナベさんもそう信じているに違いない。 最後に収められているエミリー・ディキンソンの詩も素晴らしく、 描かれる世界と相まって心が震えます。
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一年一組せんせいあのね〜こどものつぶやきセレクション〜/編者:鹿島和夫 絵:ヨシタケシンスケ
¥1,650
発行:理論社 初版:2023年05月 判型:17×19cm 総頁:111頁 ISBN:978-4-652-20548-8 自由な発想、驚くほど大人びた言葉、 意図のない天真爛漫さが爆発したかと思えば、 きちんと背景を理解し意図を持って行動していたりする。 子どもと過ごす日々は、 本当に毎日が驚きの連続です。 教員の鹿島さんが担当してきた1年生の子どもたちが書いた。 「あのね帳」という先生との交換日記。 そこから選出された54篇の文章と ヨシタケシンスケさんのイラストが 見開きに並んでいくのですが、 子供を持つ親は涙腺が緩むと思います。 パラパラとめくっただけで僕はゆるみました。 ちょっと調べても出てきませんでしたが、 黄色い表紙から桃色の新学期っぽい表紙になっていて、 この装丁は贈り物にもぴったりですね。 たとえ子供がいなかったとしても、 かつて自分にはこのような時代があったのだ、 と思えることは 根底で自分自身を支えてくれるのではないか? そんなことを思います。